反社会的勢力の定義

反社会的勢力は、かつて暴力団などと呼ばれ恐喝や暴力事案、総会屋として一般社会から広く恐れられていました。

現在は、警察からの取り締まりが強化された結果、反社の存在は潜在化が進み手口も巧妙化しています。

反社会的勢力は、皆さんの身近でも息をひそめています。近年はSNSなどを利用して安易に近づくこともありますので、気を付けてください。

反社会的勢力の概要

ここでは、反社会的勢力に含まれる団体(個人)の一般的な定義、政府・警察・地方自治体が示している定義と見解についてご紹介します。

暴力団

暴力団は法律で「その団体の構成員が集団的にまたは常習的に暴力的不法行為などを行うことを助長するおそれがある団体」と定義されています。

組織的に暴力的な不法行為で金品を得て、生活資金としている集団です。
たとえば山口組、住吉会、稲川会などがあげられます。この3団体は「ビッグスリー」とも呼ばれる指定暴力団です。

暴力団準構成員

暴力団準構成員とは、暴力団に所属していないものの、威力を利用して不法行為を行い、資金や武器を提供するなど暴力団の維持や運営に協力している者のことを指します。

暴力団関係企業

暴力団関係企業とは、暴力団員や暴力団準構成員が設立や運営に関与し、実質的に支配している企業のことをいいます。

暴力団へ資金提供をする、業務に暴力団の威力を利用する、暴力団から資金提供を受けるなど、暴力団の維持や運営に協力する企業のことです。

暴力団が利益を得るために運営している企業は、「フロント企業」や「企業舎弟」とも呼ばれます。

総会屋

総会屋とは、株主の権利を濫用し不当に利益を得ることを生業としている者のことです。

たとえば、株主総会での嫌がらせをほのめかし、コンサルタント料や雑誌の購読料、賛助金などの名目で金銭を得ようとします。

社会運動標ぼうゴロ

政治活動標ぼうゴロ、社会運動標ぼうゴロ、政治活動標ぼうゴロとは、社会運動や政治活動をよそおって不当な利益を得ようとする集団や個人のことです。

たとえば、同和運動や右翼政治活動などをよそおって企業に寄付金を強要したり、機関紙を押しつけ高額な購読料を請求したりするなどの手口があります。

特殊知能暴力集団等

特殊知能暴力集団とは、暴力団との関係を背景に、その威力を用い、または暴力団と資金的なつながりを有し、構造的な不正の中核となっている集団または個人のことです。

法律や金融などの専門知識を悪用し、株価操縦やインサイダー取引などで利益を得ている集団です。

その他

そのほか、企業の不正やスキャンダルにつけ込み脅迫をする会社ゴロ・新聞ゴロ、暴力団の維持や運営に間接的に協力している共生者、反社会的勢力に協力的である密接交際者などがあります。

政府が発表している反社会的勢力の定義 

反社会的勢力を社会から追放する動きが強まり、2007年に政府指針として

企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針について』を発表しました。

政府指針では『暴力、威力と詐欺的手法を駆使して経済的利益を追求する集団又は個人』を反社会的勢力と定義しています。

政府指針で定義づけされたことで「違法な手段で利益を得ようとする集団や個人」の総称として、「反社会的勢力」という用語が使われるようになったのです。



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